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zoom RSS 湖畔吟を読んで「船を掘りに」−−その2

<<   作成日時 : 2008/01/18 23:09   >>

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さて、前回は楚人冠先生一行が船の上がった岡発戸へと向ったところで終ったので今回はその続きです。
ご一行は岡発戸の精米業海老原豊二氏の家を訪ね歓待を受ける。船は長さ二間半、幅は広いところで二尺ばかり。全体が真っ黒く炭のようになっている。舳と艫とにまだ炭化しない箇所が残っているが、そこは石のように堅い。西村先生の鑑定は、まづ二千年前、おそらくはアイヌの手に成ったものだろうという。用材は多分榧(かや)だろうということであった。そこを後にした一行は次の地へと向います。

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◇ここを辞して今度は滝前に至る。沼に臨んだ懸崖の中腹に不動堂があって、その前に掛茶屋がある。まんまんたる手賀沼の水を一目に見はらし、沼を渡るひやひやした風が翆微の間から洩れる。如何にもせいせいとしたところである。船はと聞くと、この下の八幡さんに上げてあるといふので、又野道を四五丁も行って、田の中の小さな祠に向う。この邊の子供がぞろぞろついて来る。

◇ここのは昨日引き上げたばかりで、まだ水々と水気立っている。長さは三間半ばかりの細長い船だ。用材は松か樅か、永く水底の泥の中にうもれて、全体に腐食(ロット)が来ている。押せばぐしゃぐしゃとする。しかし立木を切って、皮をむいて、その中をくり取って、出来た獨木船(まるきぶね)の面目が、最もよく顕はれている。沼にある時鰻かきで引っかいたといふ跡が、縦横に切傷のやうに残ってある。艫の内側を削った跡には、たしかに金属製の刃物を用いた様子が見える。先は一千年前日本人の作ったものでもあらうかと、西村先生が小首をひねる。

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この後一行は高野山の方へと回り、最勝院といふお寺でも引き上げられた船を見ます。
随分とあちこちで同じ時期に古代船が引き上げられたものです。この話はまだ続きがあって一週間後には高野山の対岸の岩井に向かいます。この辺のことは次回に譲ります。

滝前には滝不動がある。楚人冠先生一行が訪れた頃は参詣者が多かったのだ。当時は掛茶屋があったとのことだが今はひっそりと何もない。また境内には新四国相馬霊場36番札所の大師堂がある。正面の細い石段を登ると中程右手に石垣の崖がありその高いところから龍の首が突き出て口元からちょろちょろと水が流れ落ちている。楚人冠先生一行が訪れた頃はこの口元からは勢い良く水が流れ落ちていたに違いない。この滝は大干にも決して枯れることはなかったという。
本堂の建立は文化13年(1816)で、木組みも彫刻もその頃のものと言われている。明治20年代に大修理がなされたらしい。屋根は茅葺屋根であったが、昭和51年に葺き替えられた。

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さて八幡神社は滝不動から水の館の方角へ約500メートル程(1丁=109m)行ったところにあります。普通神社と言うと社殿が建て直されていたとしても境内には鬱蒼とした大樹が繁っているものだが、ここは場所を移転されたものと見えて樹木はどれも若い。社殿もそうだ。境内の石塔や石碑には歴史を感じさせるものが多い。さてお目当ての楚人冠先生一行が見学した船だが、ありました。社殿の横壁に針金で吊るしてありました。これでは痛んでしまうと残念に思った。当時より大分欠けて小さくなっているようだ。
後日談だがある郷土史家が話すには、この古代船をキチンとした状態で保存しようとの声が上がり、年代を詳しく調べたら何でも平安時代のものと知れ、その程度のものだと国内には数多くあり希少価値が乏しく話は流れたとのこと。希少価値がなくとも楚人冠先生たちがご覧になったものである以上保存する価値は十分にあるように思えるのだが・・・。

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